アメリカは味の素の販売禁止国であるといううわさがありますが、これは間違っています。
私はアメリカに20年以上在住している主婦ですが、味の素は、MSG(Monosodium Glutamate)と呼ばれて広く使われていますよ。
味の素を使うかどうか迷っている方には、この記事を読んでいただき、安心して使ってほしいと思います。
実は、私も調べる前は「味の素=危険」と考え、使わないようにしていました。
アメリカでも、そのような悪評はあります。しかし調べるうちに、味の素が危険であるという考えは風評であることがわかってきました。
この記事では、アメリカは味の素の禁止国であるといううわさがどのように間違っているかを説明します。
また、アメリカでの味の素のイメージなどの情報を、アメリカ現地よりお届けします。
Contents
味の素はアメリカで禁止、販売制限されているというのは間違い
味の素は、日本同様に、アメリカの多くの場所で販売されています。
安全性に関しては、多くの科学的調査により証明されており、アメリカの厳しい食品安全基準をクリアしています。
政府系機関である(FDA、Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)のサイトを見ると、味の素(MSG)は「一般的に安全である」と明記されていました。
「一般的に」という言葉がつく理由は、味の素に敏感に反応し、頭痛などが起こるという報告が多く出ているためだそうです。
しかし、このような症状と味の素が関連しているという科学的な証拠は示されていません。
Is MSG safe to eat? FDA considers the addition of MSG to foods to be “generally recognized as safe” (GRAS). Although many people identify themselves as sensitive to MSG, in studies with such individuals given MSG or a placebo, scientists have not been able to consistently trigger reactions.
引用:FDAーアメリカ食品食品医薬品局
そのように政府が承認しているにも関わらず、アメリカでも味の素は危険だといううわさが消えません。なぜなのでしょう?
アメリカの食品のパッケージで、「NO MSG(味の素は入っていません)」と記載されているものをよく見かけます。
食品会社としては、体に悪いものは使われていないことをアピールしているのですね。
それほど味の素は危険な調味料だという考えが浸透しているということです。
味の素は危険といううわさが起こる理由とは?
このような悪評が起こった理由は、アメリカで1960年代に起こった「中華料理症候群」が発端です。
「中華料理症候群」とは、ある研究者が、味の素の入った中華料理を食べた後に頭痛や吐き気などを感じたという手紙を医療系雑誌に送ったことから始まった風評です。
科学的根拠がないままに、MSGは体に害を及ぼすといううわさが一気に広まりました。そして、同じような症状を訴える人が続出しました。
現在は、研究調査によりMSGと頭痛は関連がないことが証明されています。それでも、まだまだこの「中華料理症候群」を信じる人は多いのです。
ただ、大量に一度に摂取すると体に悪影響を及ぼす実験結果は出ています。でも、何でも食べすぎれば体がおかしくなるのは当たり前ですよね。
塩を大量にとれば高血圧になるかもしれませんし、油をとりすぎれば肥満になるでしょう。
これに関して、数年前、私の高校生の娘が一時流行したダルゴナコーヒーを飲み、大騒ぎになった時を思い出します。
コーヒーの濃度が高かったため、急に娘の動悸が激しくなり、大急ぎで救急病院にかけこまなければいけないはめになりました。
動悸はおさまり大丈夫でしたが、怖い思いをしました。
娘の場合は体質のせいでもありますが、何でも常識を超えた量を体に入れると悪影響が出ますね。
味の素は、実際にアメリカのスーパーで売られているのか?
上の写真は私の住んでいるアメリカの近所のスーパーで実際に売られている様子です。
このように、味の素はアメリカのスーパーなどで広く売られています。
こちらでも、味の素が入っている「ほんだし」や冷凍食品は、アジア系スーパーなら必ず見かけます。
また、一般のスーパーで売られているカップラーメン、チップスなどの成分表にも「MSG(味の素)」と明記されています。
しかし、私はこれまでに、日本にあるような卓上味の素、赤白色の「アジパンダくん」の容器を見た覚えがありませんでした。
そこで、味の素株式会社のサイトを見ると、アメリカでは「Ac’cent」または「AJI-NO-MOTO」という商品名で発売されているとのこと。
アジア系や通常のスーパー、オンラインで購入できると書かれています。
早速、近くのスーパーに行くと、ありました!
日本のものとは全くちがうパッケージですが「Ac’cent」という名で、約6ドル(日本円で約800円)で売られていました。
また、オンラインでは、アマゾンやウォールマートで「AJI-NO-MOTO」の名前で確かに売られていました。
引用:Amazon.com
このように、アメリカでは味の素調味料や味の素が入っている食品は、簡単に手に入ることがわかりました。
また、味の素を嫌うアメリカ人は多いのですが、実はほとんどの人が日常的に味の素を食べています。
アメリカ人がよく食べているファーストフード、チップスなどのスナック、冷凍食品、マヨネーズやケチャップなどに味の素が使われています。
味の素が禁止国でない国はアメリカ以外にどこがあるの?
他の国では販売が禁止されていないのか、どうかも、気になりますよね?安心してください。
EU、イギリス、カナダ、オーストラリアなどでも、禁止はされていません。
政府系機関の科学的実験データをもとに味の素は安全だと認められています。
しかし、パキスタン国パンジャーブ州は、2018年に味の素の禁止国となったようです。
このように、世界中で禁止国がないと断言はできません。
しかし、アメリカを始め、イギリスやカナダなど世界の科学をリードする多くの国々が安全を認めています。
ですので私は、味の素の安全性は確かなものだと思います。あなたはどう考えられますか?
アメリカで味の素が体に悪いというイメージを持つ人は半々くらい
引用:KNOW MSG.COM
私の印象では、やはり味の素を避ける人はまだまだ多いです。
ヘルシー志向のアメリカ人も増えているので、今後も、味の素に関する誤解を解くのは簡単ではないようです。
統計によると、アメリカ人の10人のうち4人は味の素を常に避けるようにしているそうです。
また、”Eat Clean”と言われ、体に悪いものを入れない健康志向の人が増えています。
加工食品を避けてオーガニック野菜などを食べるなどの食生活を取ろうとする考えはかなり広まってきました。
そのような流れの中、人工的なMSGを避けるという考えの人は多くいます。
一方、気にしない人も多く、味の素が入っているチップス、サラダドレッシングなどの食品を毎日のように摂取する人が多くいることも事実です。
最近では、「中華料理症候群」のような考えはナンセンスだとし、多くのサイトで味の素は安全であるという主張も見かけます。
今、アメリカの味の素株式会社では、誤解を払拭させるために、NO MSG の代わりに「Know MSG」というキャンペーンを展開しています。
科学的な面などから味の素のことをよく知ってほしいという願いからです。
今のところ、アメリカで味の素が体に悪いと思う人は、まだまだたくさんいます。
でも、安全性を理解する人も増えてきているので、早く誤解が解けて不必要な心配がなくなればいいと思います。
まとめ
・味の素は、アメリカで販売禁止になっているといううわさは間違っている。
・アメリカのスーパーや、アマゾンなどのオンラインで販売されている。
・味の素は、アメリカ以外にも、イギリス、EUなどの世界の主要国で販売されている。
・アメリカで、味の素のイメージを悪くもつ人は半数弱。
このように、味の素は、アメリカや世界において販売されており、広く使われています。
味の素の安全性は、各国の政府系機関によって承認されています。
私は、今回、味の素が、体に悪いどころか塩分をおさえながらもうまみ成分で料理をおいしく仕上げることができることも知りました。
安全だとわかれば、忙しい日の晩ごはん、お弁当作りに、味の素をササっと使って味を決めたい!時短をしたい!と思いませんか?
インターネットなどでは、色々な情報があふれています。
味の素を使うかどうか決めるのはあなたの選択です。
でも、もし、今、味の素を使うかどうか悩んでいる方がいらっしゃって、この記事がその判断材料となるのであれば、とってもうれしいです。