「ストレスを感じるときは?」と面接で聞かれたら、エピソードと解決策を具体的に答えましょう。この記事では回答例をご紹介しますよ。
「ストレスを感じるとき」を面接で聞かれたら少し戸惑ってしまいますよね。
質問に正直に答えると、マイナスの印象を与えてしまいそうで心配になりませんか?
実際に、回答によってはマイナスの印象を与えかねない質問です。
そうならないために、面接で「ストレスを感じるとき」を聞かれたときの回答のポイントや、回答例、質問の意図をご紹介します。
この内容を知れば、印象のよい回答を作ることができますよ!
この質問が問われやすい公務員や看護師についても回答例を載せていますので、ご覧くださいね。
面接の基礎から回答例までわかりやすく載っているこの本もおすすめです。
Contents
ストレスを感じるときの面接回答例とポイントをご紹介
はじめに、「ストレスを感じるとき」を面接で聞かれた場合の回答のポイント3つについて解説します。
回答のポイント
- 構成に沿って回答する
- ストレスの選び方に注意
- 解決方法をしっかり伝える
1.構成に沿って回答する
「ストレスを感じるとき」の回答は以下の構成で作りましょう。
構成
- 私がストレスを感じるときは、○○のときです。【ストレスを感じること】
- 〇〇のときに〇〇があり、ストレスを感じました。【具体例】
- ○○が原因と考え、○○をすることで、解決することができました。【原因と解決方法】
- これからも、○○することを心がけていきたいと思っています。【今後への活かし方】
ストレスを感じるときのエピソードだけではなくて、「ストレスとどう向き合ったか」や「今後どう向き合っていくか」がわかるように答えることがポイントです。
面接で1問あたりの回答時間の目安は、1分程度といわれています。文字にして300字程度です。
長くなりすぎないように気をつけましょう。
2.ストレスの選び方に注意
ストレスの内容は、答え方を間違えるとマイナスの印象を与えてしまうことがあるので、以下の点に気をつけて選びましょう。
ストレスの内容
- 人のせいにするような内容は避ける
- 自分の性格からくるストレスを選ぶ
- ストレスを感じないはNG
人の行動でストレスを感じるという内容は好ましくありません。
なぜかというと、「他人のせいにするタイプの人」や「仕事の同僚にもストレスを感じる人」と思われるからです。
また、ストレスを感じやすいと伝える必要はないですが、ストレスを感じないという答えも印象はよくありません。
ストレスを感じない方がよさそうな気がしますが、何もないと、自分と向き合えていないと思われる可能性がありますよ。
ストレスの具体例
- 仕事や勉強量や内容
- 人間関係(友達・仕事仲間・家族)
- やりたいことができない
3.解決方法をしっかり伝える
ストレスの解決方法には、以下の4種類があります。
- 問題解決型
- 認知再評価型
- 社会的支援要請型
- 気晴らし型
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう!
「すれ違いのないように相手の話をよく聴くようにした」や「ミスをしないようにメモをするようにした」などがあります。
仕事への取り組み方に直結するため、面接では問題解決型が1番好まれます。
この方法のデメリットは、「原因解消のために考えすぎて疲れる」や「対処法がわかっても実行に移せない」といった新たなストレスが生じることです。
ストレスが生じやすそうな職種の場合は、問題解決型に加えて、あなたが気晴らしできる方法も伝えるのがよいですよ!
「苦言はアドバイスととらえるようにした」や「失敗は次に活かすことで大切な経験になると考えるようになった」などがあります。
認知再評価型も面接で好まれる内容です。あなたの考え方や物事への向き合い方がよくわかるからです。
ストレスはないと思っている人は、認知がポジティブであることが多いので、うまくアピールしましょう!
ここから先の方法には同じデメリットがあります。内容によっては、問題自体を根本的に解決するものではないことです。
原因や問題解決についても触れた上で、それぞれの方法を伝えられたら素晴らしい回答になりますよ!
「悩んだことを先輩に相談してアドバイスをもらった」や「仲の良い友達に聞いてもらうと気持ちが楽になる」などがあります。
社会的支援要請型は、ひとりで抱え込まず、人に頼ることができるというプラスの印象を与えることができますよ。
社外の人に聞いてもらうときには、業務内容を話してはいけない守秘義務があることを覚えておいてくださいね。
悲しみや不満を聞いてもらうことを「情動焦点型」と表すこともあります。
「おいしいものを食べてよく眠る」や「趣味に没頭する」などがあります。
仕事をしていると、考えてもどうしようもないストレスも出てくるので、ストレスを溜めない方法がある人は好まれます。
気晴らしの内容は、季節限定のものは避けて、なるべくいつでも簡単にできるものがよいですよ。
簡単にできることならば、仕事でストレスが溜まっても、いつでもうまく発散できそうだという印象になるからです。
問題解決型がメインの回答例
私は、自分が思うように動けないときにストレスを感じます。
飲食店のアルバイトで、思うように動くことができず、「自分は仕事ができない」と感じて落ち込むことがありました。
飲食店では、接客や皿洗い、仕込みといった仕事があって、私が動けないのは、優先順位があいまいなことが原因だと考えました。
そこで先輩に優先順位を確認して、常に意識しながら働くようにしたことで、テキパキと動くことができるようになりました。
そのときから、落ち込んでも自分を責めずに、今できることを考えるようにしています。
好きな音楽を聴いて気分転換することも多いです。
これからも、仕事が重なったときには、優先順位を意識しながら取り組んでいきたいです。(309字)
自分と向き合って解決するという方法「問題解決型」と、自分を責めずにできることをするという「認知見直し型」の両方が入っています。
認知見直し型がメインの回答例
私がストレスを感じるときは、時間に追われるときです。
電車の時間や、授業とアルバイトの時間の関係で、分刻みで動かなければならないことが時々あります。
間に合わなかったらどうしようと思うとストレスになるので、分刻みに動くゲームをしていると思うようにしています。
時間に間に合う度に「ミッションクリア!」と心の中で叫びます。
すべてのミッションをクリアしたら、とても達成感があります。そして、コンビニで好きなスイーツを買います。
ミッションをクリアしてご褒美をゲットするために、時間の使い方を工夫することもゲームの一部のように感じます。
大変なことでも、自分の中で楽しみながらこなしてきた経験を、これからも活かしていきたいです。(311字)
ありきたりな回答が多くなる中で、あなた独自の捉え方や考え方を伝えると、インパクトがありますよ!
その中でも、時間の使い方を工夫するという「問題解決型」やスイーツを買うという「気晴らし型」も潜ませているのが、この回答例のポイントです。
社会的支援要請型がメインの回答例
私がストレスを感じるときは、人間関係がうまくいかないときです。
とくに、バイト先の年の離れた先輩に、厳しく指導を受けたときに辛く感じました。
自分の力不足が原因なので、仕事ができるように努力しますが、また怒られるかもしれないとびくびくしてしまいました。
そんなときには、仲の良い友達とたわいのない話をします。
悩み事も少し聴いてもらえたり共感し合えたりすると、辛い気持ちがなくなって前向きになれます。
がんばっていると、怖いと思っていた先輩から、激励の言葉をもらうことができて、とてもうれしかったです。
先輩も忙しくて、つい厳しい言い方になるんだなと思えるようにもなりました。
これからも、視野を広くして、相手の立場を考える余裕がもてるようにしたいと思います。(330字)
友達と話すという内容にするときは、「愚痴を言う」というマイナスの印象が強くならないように、言い方を考えてみてくださいね。
「仕事とは関係のない話をする」や「自分自身の悩みを聴いてもらう」という表現もよいですよ。
気晴らし型がメインの回答例
私がストレスを感じるときは、試験勉強が思うようにはかどらないときです。
計画どおりにしなければという焦りと、このままでは単位を落としてしまうかもしれないという不安が原因でした。
そんなときには、身体を動かして汗を流します。一番すっきりするのは趣味のテニスで、サークル活動は休まずに参加しています。
テニスをする時間がないときには、ジョギングをしたり、ストレッチをしたりすることでリフレッシュして、集中力が高まります。
深呼吸をゆっくりするだけでも、気分が変わるので、集中できないときにはまず深呼吸をするようにしています。
これからも、うまく気分転換をしながら仕事に取り組んでいきたいです。(298字)
気晴らしの内容では、あなたの趣味をアピールすることもできるので、詳しく伝えてみましょう!
例えば、「ジョギングをする」だけでなく、「ジョギングが趣味で毎日10km走っている」と言うと、面接官は、「お!」となりそうですよね。
ストレスを感じるときは面接で公務員や看護師が問われやすい質問
「ストレスを感じるとき」は、どの企業であっても、面接で問われやすい質問のひとつです。
中でも公務員試験や看護師採用試験では、定番の質問になっているようですよ!
この2つの仕事について解説し、回答例もご紹介します。
他にも営業職や販売員など、独特なストレスがかかりそうな仕事を希望している方も、参考にしてくださいね。
公務員
国家公務員は国民のために、地方公務員は県民や市民のために働く全体の奉仕者という位置づけのため、以下のような特徴があります。
- 一定の地域と特別な関係をもつことを防ぐために異動が多い
- プライベートでも全体の奉仕者という意識をもつことが求められる
- 相手をするのは、特定の人ではなくて様々な立場の一般市民
公務員採用試験の面接でストレスを感じるときは?を問うのは、あなたがこのような状況を乗り越えられるかを判断するためです。
そのため、「環境の変化に弱い」や「人と接するのが苦手」といった内容は、公務員に向きません。
私は、地方公務員(公立保育士)として10年働いたので、どれも経験しました。
特殊だと思ったのが、災害時には徒歩で行ける施設に出勤して、市民を助ける義務があることです。
台風や地震のときには自分の家も心配ですが、いつ動員がかかるかどきどきしていました。
これは努力ではどうにもならないので、受け入れて、上手く付き合うしかないですね。
公務員を志望している方は、今からでもストレスの解決方法をいくつかもっておくようにしてくださいね。
面接では、人並みにストレスは感じるけれど、切り替えることができるということをアピールしましょう!
回答例
私がストレスを感じるときは、大学の勉強とアルバイトの両立が大変なときです。
普段はあまりストレスを感じないのですが、テスト前や、アルバイトの繁忙期には、どちらもこなすことが大変だと感じました。
そんな時には、休日に好きなアーティストの曲を聴いて、ゆっくりお風呂に入ることで気分をリフレッシュさせていました。
好きな入浴剤を選んで、試すのが楽しみのひとつです。
心身共にのんびりする時間をもつことで、うまくいかないことの解決策が浮かんだり、余裕が生まれてやる気が出たりします。
仕事に就いてからも、休日や帰宅後にうまくリフレッシュしながら、仕事に取り組みたいです。(280字)
この内容なら、仕事で忙しくなったときでもしっかりリフレッシュして出勤してくれそうな印象になりますね。
看護師
看護師も、ストレスが多い職業です。日本看護協会は、看護職特有のストレス要因として以下のことを挙げています。
- 仕事内容による緊張感(命にかかわる仕事)
- チーム医療に関すること(医師や同僚看護師との人間関係)
- 労働環境に関すること(時間外労働、交替制勤務)
- 患者・患者家族との関係に関すること(無理な要求)
看護師採用試験の面接で「ストレスを感じるとき」を問うのは、このような環境でストレスに負けずに働けるかを見極めるためです。
「仕事で注意されたとき」や「仕事が忙しいとき」という内容は、看護師の業務が難しいと感じさせてしまう可能性があるため向きません。
同じ内容でも、「自分の力不足を感じたとき」や「同時進行の仕事が重なったとき」など詳しく話すと印象は変わります。
私は、2ヶ月ほど長期入院したことがあって、看護師さんにはとてもお世話になりました。
新人看護師さんにも、不安なときに話しかけていただいて救われました。今でもその看護師さんには感謝しています。
大変なお仕事だと思いますが、どうかストレスを溜めないように色々な対策方法を持っておいてくださいね!
面接では、「自信がもてるように勉強する」や「コミュニケーションの仕方を工夫する」など前向きな内容がよいですね。
他には、「よく寝て嫌なことは忘れる」や「趣味を楽しむ」など、ストレスを溜めない方法があることをしっかりアピールしましょう!
回答例
私がストレスを感じるときは、人前で慣れない処置をするときです。
初めての処置実習では、手が震えてとても緊張しました。
失敗してはいけないというプレッシャーが、緊張の原因でした。
そこで、できる限り準備万端で臨めるように練習したり、友達と一緒にシミュレーションをして段取りを確認したりしました。
このように実習を重ねることで、緊張することも減って、自信をもって処置ができるようになりました。
休日には、今も趣味のお菓子作りに没頭することで、気分転換しています。
これから緊張することがあっても、今までの経験を活かして準備や確認をしっかりした上で、前向きに挑戦していきたいです。(316字)
このような内容だと、仕事に対する姿勢が伝わりますね。気分転換の方法は、看護師の面接では知りたい内容ですので、伝えるようにしましょう。
ストレスを感じるときの面接は意図を知って回答しよう
ストレスを感じるときを面接で聞かれたときの回答例をご紹介しましたが、回答をよりよいものにするために大切なことは、質問の意図を知ることです。
「ストレスを感じるときはどんなときですか?」という質問で面接官が知りたい意図は以下の5つです。
- あなたの価値観
- ストレス耐性があるか
- ストレスに対してどんな対策をしているか
- 状況を客観視できるか
- 会社に合うか
それぞれの意図について、詳しく見ていきましょう。
あなたの価値観
企業は、あなたがどんな場面でストレスを感じるかを聞くことで、その裏側にある価値観を知ろうとしています。
ストレスを感じる場面は人によってさまざまですよね。
「物事が計画通りにすすまないことにストレスを感じる」という人は、「きっちりしている」や「融通がききにくい」という印象になります。
融通がききにくいというマイナスの印象を払拭するために、どのように対処しているかを説明することが大切ですよ。
「遅れることもあるという前提で余裕のある計画をたてるようにした」などでしょうか。
こんなことにストレスを感じるんだな、このようにして対処する人なんだなということがわかりやすいように回答するとよいですね。
自分の考えを企業に知ってもらおうという気持ちでのぞむといいね!
ストレス耐性があるか
企業は、ある程度ストレス耐性がある人を採用して長くつづけてほしいと思っています。
せっかく就職しても、環境になじめなかったり、仕事がうまくいかなかったりして、すぐに辞めてしまう人は少なくありません。
ストレスでしんどくなることは誰にでもあるので、自分はストレスに弱いから無理かも・・・と悲観する必要はありませんよ。
ストレスに強いことをアピールするのがよいのですが、ストレスに強い人ばかりではありませんよね。
自分のストレスを受け止めて、前向きにとらえる姿勢を示すことが大切ですよ!
ストレスを責任感や緊張感と置き換えると、仕事をこなしていくには多少の責任感や緊張感は必要です。
責任感や緊張感をもって仕事をしてくれそうな人や、ストレスをうまく乗り越えられそうな人という印象をもってもらえるような回答を目指しましょう♪
大変なことがあっても仕事を続けるぞ!という思いが伝わるようにするよ!
どんな対策をしているか
面接官は、仕事でストレスは生じるという前提で、あなたはどのような対策ができる人かを見ています。
ストレスが生じても、自分で解決するすべがあるか、仕事とプライベートの切り替えができるかということを確認したいのです。
一度、あなたがストレスを感じるときに、どのように立ち振る舞っているかを振り返ってみてください。
無意識のうちにしていることもあるかもしれませんし、もっとこうすればよかったと思うことがあるかもしれません。
もっとこうすればよかったと思うことも、これから活かしたい内容として面接でアピールすることができますよ。
解決方法がない方は、この機会に見つけておきましょう。以下のように簡単に取り入れられるグッズもあるので、ぜひ試してみてくださいね。
状況を客観視できるか
面接官は、あなたがストレスを感じる状況を客観視できているかを見ています。
よくない例は、ストレスを感じるときに、原因を人や環境のせいにしてしまうこと。
ストレスを感じているのはあなたなので、あなたの性格や考え方がかかわっているはずです。
例えば、「友達が遅刻をしてストレスを感じた」という内容では、あなたが時間にきっちりしているという性格が関係します。
「環境が合わなかった」という内容では、あなたにとって苦手な環境があるということになりますね。
あなたについての部分を深掘りして回答を考えるとよいですよ。
中には、あなたには全く非がないパターンもあるかもしれませんが、そのような回答は面接に向きません。
自分は悪くないことをアピールするのは逆効果だね!
この会社に合うか
企業は、あなたのストレスについて聞くことで、この企業でうまく働けそうかを確認したいのです。
職種や業種によって、どんなストレスがかかるかは異なります。
チームワークを大切にする仕事なのか、黙々と仕事をすることが多い職種なのかなど、面接を受ける企業の特徴は知っておきましょう。
チームワークを大切にする仕事では、人間関係のストレスをうまく解消できる人が好まれます。
黙々と仕事をすることが多い職種では、時間やノルマなどにおいて、自分自身との向き合い方が上手い人が好まれそうですね。
ということは、その企業で発生しうるストレスは選ばない方がいいのかな?
保育士を希望しているのに、「子どもの声がストレス」というように、明らかにその仕事に向いていないような内容は避けた方がよいですよ。
誰もが経験しそうな内容ならば、解決方法を述べることでプラスの印象になるので正直に答えましょう。
まとめ
- 「ストレスを感じるとき」を面接で聞かれたら、ストレスの内容だけでなく原因や解決方法も回答する
- ストレスの内容は自分に原因があるものを選ぶ
- ストレスの解決方法には、「問題解決型」「認知見直し型」「社会的支援要請型」「気晴らし型」があり、回答の内容によって組み合わせるとよい
- 「ストレスを感じるとき」を面接で問われやすいのは、公務員や看護師
- 「ストレスを感じるとき」を面接で聞かれる意図は、あなたの価値観や、ストレス耐性と対策法、状況を客観視できるか、会社に合うかを知ること
解決方法と職業別に回答例を6つご紹介しました。
面接で投げかけられるなにげない質問でも、企業側が知りたい意図が隠れていることがわかりましたね。
意図を知っておくことは大切ですが、あなたのことを知ってもらうことに意義があるので、難しく考えなくても大丈夫ですよ。
ご紹介した回答例を参考に、あなたの回答を考えてみてくださいね!