ハッカ油は虫が寄ってこない効果が期待でき、人には無害ですが使い方には注意が必要となります。
多くの虫にとって、ハッカ油の香りというのは苦手です。
しかし、ハッカ油には虫を殺す殺虫効果はありません。
幼い子どもがいる家庭では、化学物質を使った虫除けスプレーや殺虫剤を使うことへの抵抗のある方も多いと思います。
そこでおすすめなものが、「ハッカ油」なのです!
ハッカ油は、ハッカの葉茎から抽出して作られる天然成分であることから、身体に無害な物質です。
そのため、幼い子どものいる家庭でも安心して使うことができます。
とても便利なハッカ油ですが、虫除け対策において前向きなことばかりではありません。
そんなハッカ油について、これから詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
ハッカ油で虫が寄ってくるのか?検証結果を解説
ハッカ油は、ミントから抽出された植物油で、スーッとした清涼感のあるさわやかな香りが特徴的です。
スーッとした香りがあるハッカ油は、リラックス効果をもたらします。
それと同時に、一部の虫はこの香りがとても苦手です。忌避(きひ)性といって嫌って逃げてしまう性質を持っています。
つまり、ハッカ油の香りを嗅ぐと虫たちは逃げ出してしまうのです。
公園や野山に行く際は、ハッカ油で作った虫よけのスプレーを肌に吹きかけておけば、不思議と虫が寄りつきません。
ハッカ油があれば、人体に大きな影響を与える心配がないので、幼い子供がいる家庭での虫除け対策におすすめです。
虫除けの中でも、ハッカ油がゴキブリに対する忌避の効果があることは、実験によって認められています。
その効果が「日本ハッカ油およびスペアーミント油(スコッチタイプ)中に含有するゴキブリ忌避物質」(稲塚 新一,1982)に記載されています。
天然精油で、日本のハッカ油とスペアーミント(スコッチタイプ)が、チャバネゴキブリに対して顕著な嗅覚的忌避効果を示していると記載されていますよ。
また、蚊に対しても強い忌避性を有するとされています。
市販品では成分が強すぎるかも?と感じる方は、一度試してみるといいかもしれませんね。
シバンムシはハッカ油が好きというのは嘘!?
「シバンムシ」という虫をご存じでしょうか?
名前に聞き覚えがない場合でも、家の中をゆっくりと飛んでいたり、食料についていたりする姿を見かけたことがある方がいるかもしれません。
乾燥食品、生薬など幅広く食害し、畳などにも発生し加害する虫で、大きさは約2.5ミリです。
この大きさだとよく見ないと確認できませんね。赤褐色や茶褐色のぷっくりとした虫です。
どんな虫なのかという見た目の画像は、控えさせていただきます。
ところで、防虫の対策にハッカ油を使うとシバンムシがわいてくる。つまり、シバンムシがミント系の香りを好み、寄ってくるという記事がたくさんあります。
このような記事に興味を持ったアース製薬(株)研究部が、研究室で飼育されているシバンムシで実験してみたようです。
大きな保存容器を用意し、その容器の右端に希釈したハッカ油、左端には水を含ませた脱脂綿を置きます。そして、容器の真ん中にシバンムシを入れました。
シバンムシはどちらのほうに行くのだろうと興味津々で見られていたようです。
シバンムシはどうなったかというと、ハッカ油のほうには寄ってこず、むしろ忌避している様子だったようです。
また、「タバコシバンムシに対するエッセンシャルオイルの忌避性」という日本たばこ産業(株)葉たばこ研究センター堀正俊の論文もあります。
その論文の中に、“ミントオイルとペパーミントオイルはシバンムシが忌避はするものの、誘引はしない”という結果がありました。
このことから、シバンムシはミント系の香りがどちらかといえば嫌いなのではないかと考えられます。
シバンムシは乾燥植物質のものを好み、好きな食べ物であれば寄って来てしまいます。やはり、狙われそうな食品はしっかり密閉することが大事ですね。
ハッカ油でできる虫除けの作り方を解説!
ハッカ油を使った虫除け対策の方法はさまざまです。
虫除け対策の主な方法、作り方についてご紹介します。
ハッカ油で虫除けスプレーを作ろう
ハッカ油で虫除けスプレーを作っておくと、とっても便利です。
ハッカ油で作った虫除けスプレーで、キッチンや玄関、窓付近、ゴミ袋など虫が通りそうな場所に吹きかけておくことによって虫除け対策にもなります。
ハッカ油…5~6滴(約0.3ml)
無水エタノール…10ml
水…90ml
スプレー容器(100ml)…1つ
注意すること
スプレーボトルは、ポリプロピレンやポリエチレンまたはガラス製を選びましょう。
ポリスチレン製の容器を使うと、ハッカ油で溶けてしまう可能性がありますので避けましょう!
作り方
1. ハッカ油をスプレー容器に入れる
2. 無水エタノールをスプレー容器に入れて、よく混ぜ合わせる
エタノールには、水と油を混ざりやすくする作用があります。
※ハッカ油は書いて字のごとく「油分」です。油は性質上、先に水と一緒にしてしまうとあまり混ざることがありません。
3. 水を加える
容器を満たすように水を加え、しっかりと混ぜ合わせてください。
ハッカ油虫除けスプレーの完成です!
使用する際には、もう一度よく振ってから使うようにしましょう。
使用上の注意
・虫は基本的に外から侵入してきます。玄関や窓枠、網戸、排水口などに吹きかけておくのがおすすめです。
さきほども書きましたが、ハッカ油にはポリスチレンを溶かす作用があります。
網戸に使用する際は、網戸の材質にポリスチレンが使われていないかを確認してから使用するようにしましょう。
・このハッカ油虫除けスプレーをゴキブリの侵入口となりそうな台所、玄関、お風呂場などにスプレーすれば、ゴキブリが寄りつかなくなるといわれています。
おすすめですので、ぜひ一度試してみてくださいね♪
・ハッカ油虫除けスプレーの効果は、香りが持続する数日から長くても1週間程度です。
香りがなくなってくると効果が半減してしまいます。
そのため、効果が薄れてきたら、またスプレーで液体をふきかけてください。
・天然素材のハッカ油虫除けスプレーは、化学物質が入っている虫よけスプレーが苦手な子どもにもおすすめです。
ただし、小さな子どもが誤った使い方をしないように、子どもが手の届かない場所に保管するなど、しっかり管理することが大切です。
ハッカ油と重曹で置き型の虫よけ忌避剤を作ろう
ここでは虫、特にゴキブリが集まりそうなところに、ハッカ油と重曹で作ることができる置き型の忌避剤を設置する方法をご紹介します。
この置き型の忌避剤は、スプレータイプのものよりも持続性があり、ゴキブリなどの虫が寄ってくるのを防ぐ効果がありますよ。
準備するもの
- お茶パックなどの小袋…1袋
- ハッカ油…20滴
- 重曹…200g
※重曹100gあたりハッカ油10滴です。
作り方
- 重曹にハッカ油を入れて混ぜる
- 混ぜた忌避剤をお茶パックに入れる
- ゴキブリが出そうなところに設置する
ハッカ油と重曹の忌避剤ができたら、ゴキブリなどの虫が出てきそうなところに設置しましょう。
ただし、置き型の忌避剤はスプレーと比べて対策できる範囲が限られますので対策する場所選びは慎重に!
効果を最大限に発揮するために、どこがゴキブリなどが好んで集まりそうな場所かを考えて設置したいですよね。
ちなみに家電の下やゴミ箱周辺、棚の中などがゴキブリが好んで住み着きやすい場所です。このような場所に設置しておきましょう。
ハッカ油での虫対策によるデメリットを紹介
ハッカ油を使って虫除け対策をするのは、天然成分ということから安全性が高いですが、いくつか注意点もあります。
次のような点には注意を払ってくださいね。
- ペットを飼っている方は注意
- ペットの中でも猫がいる場合は使わない
- 匂いの好みが分かれやすい
- 素手で原液に触れない
- 保管場所に注意
・ペットを飼っている方は要注意
ペットには、ハッカ油のニオイの刺激が強すぎたり、成分そのものが有毒な場合も。アレルギー反応が出たり、中毒症状を引き起こす恐れがあります。
鳥などの小さな動物にも刺激が強い場合があるので、ペットを飼っている場合はハッカ油を使用しないようにしましょう。
ペットがいる家庭での使用は控えたほうがいいでしょう。
・ペットの中でも猫がいる場合は使わない
とくに猫を飼っているときには要注意です!!
その理由は、ハッカ油が植物性物質で、脂溶性化学物質だからです。
ネコは、精油成分のような脂溶性化学物質を分解することができないため、精油が長く体内にとどまることによって有害な物質に変化してしまいます。
それが原因で猫の肝臓機能を低下させてしまうことによって、中毒症状を引き起こすおそれがありますよ。
猫がいるところでは、ハッカ油などの精油を使用することは控えましょう。
・匂いの好みが分かれやすい
スーッとした清涼感のある香りですが、人によっては強い刺激的な香りに感じることもあります。
匂いを嗅いでみて、この匂いは「苦手だなぁ」と思ったら使うのをやめるほうが良いですよ。
・素手で原液に触れない
ハッカ油は、飲み物に混ぜて飲んだり、入浴剤にしたりすることもできる安全性の高いものです。ただし、どちらもごく少量でお願いします。
また、素手で原液に触れてしまうと、肌に強い刺激を感じてしまったり、肌にトラブルを起こしたりすることもあるので注意しましょう。
ハッカ油でスプレーや忌避剤をつくるときには、ゴム手袋などを着用することで肌を守ることがおすすめです。
また、目などの粘膜に触れることで強い刺激を受けて痛みを感じることがあります。作業をする時にはゴーグルや眼鏡を使用するといった工夫をしておくとよいですね。
・保管場所に注意
ハッカ油は、日が当たらない暗くて涼しい場所で保管しておくのが理想です。
日のあたる場所や室温が高くなる場所に置いておくと、ハッカ油の品質が変わってしまい本来の効果が発揮されなくなってしまうことがあります。
また、エタノールを使用していることもあり、引火のおそれがあります。火のそばには置かないようにしましょう。
そのほか、ペットがいる場合や小さなお子さんがいる場合には、誤って口に入れないように高い位置に置いておくなど十分注意して保管しておくことも大切ですね。
ハッカ油でこんなエピソードも
「極寒!恐怖の入浴剤アイヌの涙を試す」というのを「探偵!ナイトスクープ」でやってました。
大阪人としては、ハッカ油を紹介する際にはどうしても外せないエピソードです。
ちなみに、アイヌの涙の主成分は、ハッカ油です。
体の震えが止まらないほど寒くなるという冷感入浴剤の「アイヌの涙」。
アイヌの涙をお風呂にキャップ1杯いれると「寒い」、キャップ3杯入れると「凍る」感じになるという恐怖の極寒体験ができる入浴剤です。
番組では、40度の湯にもちろん3杯入れて試していました。
入れてから2~3分すると体が冷えて大変そうでしたよ。
お風呂あがりには、毛布をかぶって震えてしまうぐらいです。
それくらい使用量によってはとっても危険なものですね。使用の際には注意を払いましょう!
まとめ
- ハッカ油は虫が寄ってこない効果が期待できて、人には無害だが、使い方には注意が必要
- ハッカ油には、虫よけ効果や抗菌作用などたくさんのメリットがある
- 猫や小さな動物を飼っている家庭にハッカ油は要注意
ハッカ油は、天然成分のものなので人には大きな影響はありませんが、トラブルを起こさないためにも注意をしたうえで使うようにしましょう。
そのまま使うとかなり刺激が強くヒリヒリします。肌が弱い方は肌荒れをおこす可能性もあるので、薄めて使うのがポイントです。
ハッカ油のメリットとデメリットをよく理解したうえで、正しく使って快適な生活を送ってくださいね。
コチラの記事もおすすめです♪