世界各国と比べ、日本人は料理をしすぎるといわれています。
特別な日ではなく、平日にも手作りにこだわり料理をしすぎるのはなぜでしょう。
それは、日本人の伝統的な献立である一汁三菜にも原因があることがわかりました。
理想的な栄養バランスといわれる一汁三菜は、日本人の体質にあった誇るべき食文化です。家族のためにもぜひ実践したいですよね。
しかし、思いとは裏腹に現代の女性はとにかく忙しすぎるのです!
仕事や家事で疲れ切っても気力をふりしぼり料理して、食べるころにはへとへと。家族の話を聞く余裕すらない、なんてことも。
そこでこの記事では、世界の食卓を参考に日本人の食生活をシンプルにするコツをご紹介!
料理のしすぎを見直せば、自分や家族との時間が増えイライラも減り笑顔が増えること間違いなしですよ♪
日本人は料理しすぎ!【一汁三菜】と【手作り】の呪い
平日の夕食作りに45分以上かける人が半数!
こちらは、20代~40代女性900人の平日の夕食を作る頻度に関するアンケートです。
これによるとほぼ毎日作る人と週に4、5回作る人を合わせて7割近くを占めていることがわかります。
引用:JA そして、全中『みんなのよい食プロジェクト』調べ
そして、1回の夕食作りにかける時間は平均42分、45分以上かける人の割合が51.5%となっていました。
このうち1時間以上かけると答えた人の割合は、35.9%にも及んでいます。
平日の夕食作りにかける時間は平均 42 分!! 平日の夕食を作る女性も作らない女性も、調理時間の確保が負担。
「平日の夕食を自分で作る」と回答した女性が、夕食作りにかける平均時間は 42 分で、うち 83%が平日の夕食作りの時間をもっと短縮したいと考えています。また、平日週1回以下しか夕食を作らない女性の 26%が、夕食を作らない理由を「時間がないから」と回答しており、忙しい平日に調理時間を確保することが負担になっていることが分かりました。
引用:JA 全中『みんなのよい食プロジェクト』調べ
しかし、この42分というのは食材を調理台に並べてからの時間ですが、実際夕食作りは献立をたて買い出しに行くときから始まっていますよね。
夕食作りの工程
- 献立をたてる
- 買い出しに行く
- 買ったものを冷蔵庫に片づける
- 料理を開始する
- 調理道具を片づける
- 食べ終わった食器を片づける
- 翌日の朝食の下準備をする
書き出してみると、実に多くの工程がありますね。
料理にかかる42分はほんの一部で、実際はこれよりもかなり長く時間がかかっていると思われます。
日本人が料理をしすぎるといわれるのも納得です。
一汁三菜にすべき?献立のプレッシャー
今日は何を作ろうかな。昨日は、お肉だったし魚にしたほうがいいかな。
そういえば、学校の給食は何だったんだろう。
日々の献立をたてる難しさは、料理を任されている人にしかわからないものかもしれません。
献立がなかなか決まらず、スーパーへ着いてからも何にしようか同じところを行ったり来たりした経験があるのは私だけではないはずです。
また典型的な日本食の形として現代もよく例に挙げられるのが「一汁三菜」という構成ですね。
一汁三菜とは
室町時代の武家の礼法とともに発展し江戸中期に形式が整えられた、日本料理の一形式。
主菜となる飯に、汁物とおかずが3品で構成。
私も料理を始めたころは、料理本などでよく見かけたこの言葉を実践すべく必死でした。
一汁三菜は献立を立てる際のヒントではありますが、ただ品数をそろえればよいというものではありません。
合わせて求められるいくつかのポイントがあるのです。
- 食材がかぶらないようにする
- 味付け、食感に変化をつける
- 栄養バランスを意識する
これらに気を配りながら、毎日の献立をたてることがいかに大変かは想像に難くないと思います。
母親なら手作りが当たり前?押し付けがつらい
毎日忙しすぎるのに、夕食は母親の手作りが一番!って押し付けがつらい…
日本人には、料理に限らず母親の手作りが一番だという意識が呪いのように根強く残っています。
以前、SNSで話題になったこんな話をしりませんか。
総菜のポテトサラダを購入しようとしていた幼児連れの女性が、見ず知らずの年配男性に「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言われたという内容でした。
母親なら愛情があるなら手作りするべきだという押し付けが、世の中の忙しすぎる母親たちを苦しめているのです。
まず、ポテトサラダを作る工程の大変さを知っていれば、決して「ポテトサラダぐらい」なんて言葉は出てきませんよね。
日本人の料理と世界の食卓を比較!頑張り過ぎなくてOK!
日本人夫婦の家事分担を世界とくらべてみよう
「男女別に見た生活時間(週全体平均)(1日当たり,国際比較)」(男女共同参画局) (https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-c01-01.html)を加工して作成
上の表は、男女別に見た有償、無償労働時間の内訳です。
有償労働 | すべての仕事、通勤通学、授業や講義、学校での活動、調査・宿題、給食活動、その他有償労働・学業関連労働の時間の合計 |
無償労働 | 日常の家事、買い物、世帯員のケア、非世帯員のケア、ボランティア活動、家事関連活動のための移動、その他無償労働の時間の合計 |
世界各国の中で比較すると、有償労働時間が日本人男性は群を抜いています。反対に、無償労働の時間は圧倒的に少ないこともわかりますね。
また、日本人女性の有償労働時間、無償労働時間いずれも、世界各国の女性と大差がありません。
日本の女性は世界各国の女性と同じくらい仕事をしつつ、家事のほぼすべて引き受けているということね。
外で生活時間の限界まで仕事をして頑張る日本人男性、その穴埋めをするように家事を一手に引き受ける日本人女性。それが現代の日本人夫婦の現実なのでしょう。
目からウロコ!世界の食卓の常識
日本人が料理しすぎることは先に述べたとおりですが、一方で世界の食卓はどうなのでしょうか。
平日の夕食についての口コミを集めてみました。
世界の食卓についての口コミ
アメリカ | ・朝食はシリアル、または職場に向かう途中でコーヒーとベーグルを買う ・昼食はとにかくシンプル ・夕食は3食の中でも一番のメイン。外食やテイクアウトが多い ・冷凍食品を活用したり肉をオーブンで焼いたり、手の込んだ料理はしない |
フランス | ・朝食はフランスパンとコーヒー。ベーコン、卵などは食べない。あってもヨーグルトや果物 ・昼食は外食 ・夕食は冷蔵庫の野菜を茹でてハンドミキサーでまぜた野菜スープ、チーズ、ピザなど。時間のかかる料理はしない ・週末にフルコースを作り、時間をかけて食べる |
オランダ | ・料理は1日1回。他の2回は冷たい料理で簡単に ・朝食はヨーグルト、シリアル、パン |
ドイツ | ・朝食はハム、チーズ、野菜のサンドイッチやシリアル ・昼食に温かいもの。夕食はパン、ハム、チーズなど ・自宅で火を使わない食事が多い ・平日はシンプルに、週末は家族みんなで調理して食べることも |
台湾 | ・屋台や食堂が充実しているので、3食外食する人も多い ・朝食専門の食堂や屋台もあり、単身用のアパートにはキッチンがついていないことが普通 ・外で食事をすることが当たり前なので、女性が料理をしないことに寛容 |
イギリス | ・朝食はリンゴとヨーグルト。昼食はサンドイッチ、夕食はピザやパスタ ・平日のメニューは同じものの繰り返しが多い ・スーパーではオーブンに入れるだけでできあがるものが売られていて、平日にはそれらを利用するなど料理に手間はかけない ・週末は伝統的なイギリス料理を作る |
世界の食卓では、平日の料理に時間も手間もかけないことが当たり前なのね!
世界でもお料理が好きな女性は、平日であっても料理に時間をかける人はいるようです。
しかし、一般的には平日は簡単に済ませ、週末は手の込んだ料理を作る家庭が多いとわかりました。
海外ではお弁当もシンプル
日本のお弁当は、濃いめに味付けされた調理済みの食材が並びます。栄養バランスも考え見栄えもよく並べられます。
世界の一般的なお弁当です。ハムやチーズのサンドイッチと、生野菜やフルーツがそのまま添えられています。
栄養価もあり美味しそうですが、シンプルで作る手間はあまりかからずに済みそうです。
お弁当ひとつとっても、日本の女性たちがなぜ早起きしなければならないかその理由がわかります。
世界の女性は自分の時間を大切にしている
そんな中、さらに手作りの一汁三菜で追いつめられていく日本人女性たち。世界の女性たちの家族観をしれば、心が軽くなるかもしれません。
家族が幸せになるためには、まず自分自身が幸せになることが大事!
フランスでは、母親が生き生きと輝くことが家族のためになるという考え方があり、自分の時間を犠牲にする考えはないそうです。
食事の前には、料理をしない人がテーブルセッティングをし、片付けをするという家庭が多いようですよ。
子どもをシッターさんに預けて、夕食は夫婦で食事に♪
アメリカでは一歳に満たない幼児でもシッターに預け、夫婦でデートをすることも当たり前です。
母親であっても自分自身を大切にすることを家族も社会も応援しています。
日本人の料理や生活をもっとシンプルにするコツ6つ!
日本と世界の食卓の違いについてご紹介してきましたが、全てを日本人の生活に取り込めるかというと無理がありますよね。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」からもわかるように、日本人の料理に対する思いは世界からみても貴重な財産です。
長寿国、日本を作り上げたのはその豊かな食文化が支えているといってもよいでしょう。
家族の健康を願うその思いを残しつつ、日本人女性が自分自身を大切にするためのコツをご紹介します!
固定観念を捨てもっとシンプルに生活すれば、今よりもっと毎日の料理が楽しくなりますよ。
料理を作らない!を選択肢に
「仕事や育児でへとへとになっても、毎日食事を作らなくちゃいけない」その固定観念を捨ててみましょう!
その分、お子さんの学校や幼稚園での出来事に耳を傾ける時間が増えますよ。夫婦で語らう時間もできるでしょう。
必死に料理をしても疲れ切って家族の顔もまともにみられなかった…では、もったいない。
家族が笑顔でそろう時間が増えること、それは大きな意義のあることだと思いませんか。
料理を作らない自分を責めない
料理を作らないときに、自分を責める必要はありませんよ。
買ってきたものでも冷凍食品でも、おなかを空かせた家族のために食事を準備したということ、それだけで十分♪
必ずしも手作りである必要はないのです。むしろ、疲れ切っているのに役割を果たした自分をほめてあげてくださいね。
曜日ごとに固定の献立を決める
先にご紹介したように世界の食卓では、年中ほぼ同じ献立という国もありましたが日本ではそうはいきませんね。
毎日違った献立を求められるのが普通になっています。私の家でも2日以上続けて食卓にあがるのは、カレーライスくらいです。
そこで、ご提案するのが曜日ごとに固定の献立をおおまかに決めておく方法です。
週決め献立(案)
月曜日 肉を焼く(生姜焼き、塩こうじ、おろしポン酢など味をかえて)
火曜日 魚を焼く、刺身(総菜の焼き魚なら片付けも楽♪)
水曜日 丼もの(親子丼、牛丼、中華丼などお鍋一つで作れるもので)
木曜日 麺類(ラーメン、うどん、パスタ、レトルトソースも活用して)
金曜日 カレーやシチュー(多めに作って土曜日のお昼に食べましょう!)
献立に迷う時間もストレスもなくなり、料理が格段に楽になりますよ。
冷凍食品、総菜で火を使わない
冷凍食品やスーパーの総菜をメインに献立を考えてみましょう。火を使わない料理にすれば、洗い物もぐんと減らせますよ。
冷ややっこを副菜にしたり、カット野菜のサラダを添えたりすれば定食メニューの完成です!
こちらは銚子近海産のサバの味噌煮の10パックセットです。湯せんで8分、骨まで食べられます。
口コミでは「苦手なサバが骨も皮も美味しく食べられました!」「もう何回リピート購入したか分からないくらい大ファンです」など高評価ですよ。
こちらはハンバーグが24個も入った大変お得なセットです。電子レンジで3分30秒温めるだけ!
ソースはかかっておらず、ロコモコ丼にしたりハンバーグカレーにしたり、お好きな味にアレンジ可能です。
もちろん、何もかけずそのままでも美味しく口コミでも「ボリュームたっぷり!」「お弁当にも使える」と大人気ですよ!
味付けをシンプルに。カット野菜を活用
料理をシンプルに行うために、世界の食卓の中で真似したい点がありました。それは、味付けをシンプルにするということです。
例えば、お肉を焼くなら塩コショウのみ、添え物の野菜はレンジで温めて味付けはせず素材そのまま。
食べる人自身が好みに合わせて、ドレッシングやレモン汁などをかけて食べます。
調味料を混ぜ合わせたりする手間が省け、洗い物も少なくなるのでおすすめです。
また、野菜はカットされているものや冷凍野菜を積極的に使うことで、さらに時間短縮できますよ。
メイン1品のみ!品数を増やさない
日本人の多くが一汁三菜を理想の食事と考えているのは先にご説明した通りです。学校給食も多くは、その形式ですね。
しかし、テレビでも活躍中の料菜理研究家 土井善治さんが提案されているのは「一汁一菜」です。
毎日ご馳走を作らずとも、美味しいご飯と具だくさんの味噌汁があれば心地よい生活のリズムが作れるとのことです。
頑張り過ぎている日本人女性の心が楽になる、また食事を通して伝えたい家族への愛がいっぱい詰まった一冊です。
まとめ
- 日本人が料理をしすぎるのは、一汁三菜を手作りすることが理想とする風潮があるからである
- 日本人が忙しすぎる平日に、手作りで料理をするのは時間的にも体力的にも大きな負担である
- 日本人夫婦は家事分担に大きな偏りがある
- 世界の食卓をみると平日には料理をしない国も多い
- 世界各国には女性自身を大切にすることが家族のためになると考えている風潮がある
- 日本人女性の料理をシンプルにするコツは6つある
日本人が料理をしすぎるのは、家族の幸せを願う気持ちが根底にあるからではないでしょうか。
しかし同じように家族もあなたの幸せを願っているはずですよ。
料理をしない日があっても大丈夫!あなたの我慢ではなく、あなたの笑顔が家族を一番幸せにしているのです。