十五夜お月さんの歌詞の意味を知ると、ひとりぼっちになった子の悲しい心情がつづられていることがわかります。
十五夜お月さんという童謡をご存知でしょうか。
私も子どもが小さかったころ、お月見をしながら一緒に童謡を歌いました。
「でた、でた、月が♪」から始まる「月」や「うーさぎ、うさぎ♪何見て跳ねる♪」と歌う「うさぎ」など。
明るい曲調で和やかな歌の中でひときわ異質で印象に残ったのが、十五夜お月さんでした。
子どもたちに歌詞の意味を聞かれたとき、あいまいだったので調べてみたところ、あまりの悲しさに胸が締め付けられる思いがしました。
この記事では、十五夜お月さんの歌詞の意味とこの歌が生まれた背景についてご紹介。
そして、あらためて知りたい十五夜とは何か、さらにはお月見のやり方も解説しますよ!
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Contents
十五夜お月さんの歌詞の意味はひとりぼっちの悲しさ

十五夜お月さんの歌詞の意味を調べてわかったことは、小さな子どもが家族とはなれひとりぼっちになった悲しさが歌われているということです。
十五夜お月さんの歌詞
十五夜お月さん
- 十五夜お月さん ごきげんさん ばあやは おいとまとりました
- 十五夜お月さん 妹は 田舎へもられてゆきました
- 十五夜お月さん かかさんに もいちどわたしはあいたいな

なんだか曲調が寂しいけど、言葉の意味がよくわからないなぁ…
歌詞を書き出してみると現代ではあまり使われていない言葉がでてきます。
歌詞の内容をよりくわしく知るために、言葉の意味を調べてみましょう。
歌詞に出てくる言葉の意味を知ろう
- 十五夜お月さん ごきげんさん ばあやは おいとまとりました
意味「十五夜お月さん ごきげんよう ばあや(お手伝いさん)は辞めてしまいましたよ」
「ばあや」とは祖母という意味ではなく、お手伝いさんもしくは使用人を指すものです。
「おいとま」とは漢字で「お暇」と書きます。
現代では「帰る」の意味で「本日はお暇いたします」などと目上の人に立ち去る際のあいさつとして使われることが多いですね。
しかし、一昔前「暇(ひま)を出す」とは次のような意味で用いられました。
- 休暇を与える
- 使用人などをやめさせる
- 妻を離縁する
十五夜お月さんの歌詞では、「使用人などをやめさせる」という意味で歌われています。
- 十五夜お月さん 妹は 田舎へもられてゆきました
意味「十五夜お月さん 妹は 田舎へもらわれていきました」
「田舎へもられて」とは、田舎へもらわれてという意味です。妹が農村へ引き取られて行ったことがわかりますね。
- 十五夜お月さん かかさんに もいちどわたしはあいたいな
意味「十五夜お月さん お母さんに もう一度私は会いたいな」
かかさんとは「お母さん」という意味です。月を見上げ母に会いたいと願うということは、母が故人だということが想像されます。
1番から3番までの歌詞をまとめてみましょう。
「世話をしてくれた使用人のおばあさんは仕事をやめさせられ、妹は農村へ引き取られていき、そして母はすでに他界している。」という状況がわかりました。
歌詞の意味が確認できたところで、もう一度歌を聞いてみてください。
一家離散で小さい子どもがひとりぼっちになり、話し相手としてお月さんに語りかけているのです。なんとも悲しい気持ちにさせられますね。
十五夜お月さんが悲しい理由は作詞家との共通点に

こんなにも悲しい歌が作り出された背景とはどのようなものだったのでしょうか。
曲が発表された時代
童謡「十五夜お月さん」が発表されたのは、大正9年(1920)です。
その頃日本は、第1次世界大戦が終結した直後。株価が大暴落し、世界恐慌がはじまりました。
世界恐慌の影響で日本は不景気になり、多くの企業や銀行が倒産したといいます。
使用人であるばあやがいるような裕福な良家が突如没落して一家離散となることは、当時珍しくなかったようです。
歌詞の意味と通じる作詞家の悲しい境遇とは
十五夜お月さんの作詞家である野口雨情(のぐちうじょう)は、「しゃぼん玉」や「七つの子」などでも知られている日本の童謡作詞家です。
今でも歌いつがれている歌を多数作詞している雨情ですが、その境遇は十五夜お月さんにでてくる子どもと通じるものがあります。
雨情は若くして父を自死、母を病気で失い、また生後わずか8日目で自身の長女を亡くすなど自らも身内との死別を経験。
また大正4年には妻と離婚し、2人の子どもを引き取るも子どもたちは母恋しさに毎晩泣いていたそうです。
困った雨情は、結局別れた妻に子どもたちを預けました。
家族がバラバラになった自らの悲しい境遇を歌詞につづったと言っても過言ではないかもしれませんね。
こちらは野口雨情の代表的な作品を歌い上げています。これらの歌も歌詞の意味を知ると、雨情の境遇と通じている気がしてなりません。
「七つの子」では7歳まで無事に育った子どもへの愛情が、また「しゃぼん玉」では幼くして亡くなった子どもを思う気持ちが込められているといいます。
十五夜お月さんはお供えをして家族でお月見を!

ここまで十五夜お月さんの歌詞の意味について解説をしてきました。
それでは、この曲で歌われている十五夜とは何のことかご存知でしょうか。
十五夜とは毎月15日のこと
十五夜とは毎月15日のことをいい、お月さんは15日周期で満ち欠けを繰り返します。
十五夜お月さんは「中秋の名月」ともいいますね。
中秋とは旧暦の8月。その頃が1年でもっとも空が澄んで綺麗と言われていますよ。
つまり歌詞でいうところの十五夜とは旧暦の8月15日のことで、美しい満月を眺める行事がお月見なんですね。
ひとりぼっちで月に話しかける小さい子どもと、一年で一番美しい満月。
短い歌詞の中に美しくも切ない光景が浮かび上がり、この歌が長く歌いつがれる理由がわかりますね。
ところで、十五夜について注意する点が二つあることをご紹介したいと思います。
一つ目は、十五夜が旧暦の8月15日を指すので、現代で用いられている新暦では毎年日にちが変わるということ。
二つ目は、十五夜が必ずしも満月ではないということです。
近年の十五夜(中秋の名月)がいつに当たるのか確認しておきましょう。
年 | 十五夜(中秋の名月) | 満月の日 |
---|---|---|
2022年 | 9月10日 | 9月10日 |
2023年 | 9月29日 | 9月29日 |
2024年 | 9月17日 | 9月18日 |
2025年 | 10月6日 | 10月7日 |
十五夜に関しては、年によって1か月近くの差がありますね。
私はお月見をするのは10月だとばかり思っていましたので驚きました。
知らなければ、気づいたら中秋の名月が終わってた!なんてことになりかねないですね。
お月見のお供え
お月見の文化は、中国から伝わったとされています。
もともとは上流階級の楽しみとして月をめで優雅に過ごす行事でしたが、のちに作物の実りを祝う収穫祭の意味を持つようになりました。
そのため、お月さんにお供えをし収穫の感謝と祈りをささげるようになったのです。

お月見団子
お月さんと同じ丸い団子をお供えし食べると健康と幸せが手に入ると考えられています。
十五夜ではお団子を15個お供えします。(1年の満月の数と同じく12個の場合も)
ススキ
ススキは豊作や子孫繁栄を見守る神様の依り代と考えられています。
本来は、稲穂をお供えすべきですが稲刈りの前なので見た目が似ているススキが選ばれたようです。


収穫した作物
旬の野菜や果物をお供えします。ブドウなどのつる性の作物はお月さんとのつながりを強めるとか…。
「お団子を自分で作るのは大変!」という方は、こちらの商品がおすすめですよ!うさぎのお団子がかわいらしいですね!

近くにススキが生えていないときはこんな便利なアイテムもあります。
造花ですが雰囲気を盛り上げるには十分です♪

お供えする器は「三方」
準備したお供えを「三方(さんぽう)」にのせましょう。白い紙をしいてお供えします。
三方は3つ穴が開いていますが、穴がない方をお月さん側にしておきましょう。
三方はお正月に鏡餅を飾るのにも使いますね。
ただ、家にあることは少ないですよね。その場合は、お盆やお皿で代用しましょう。

季節の飾りものとして、ヒノキで作られた月見団子飾りもありますよ!三方付きでほのかにヒノキが香ります。
お供えを飾る場所

お供えはお月さんから見える窓辺の場所か、和室の床の間などに飾ります。
マンションの方はお月さんがみえるベランダがあればそちらでもいいですね。
お月見をする場所を「月見台」と呼ぶそうですよ。
我が家の月見台を準備して、季節の行事を家族団らんで楽しみましょう。
お供えは食べてもよい
お供えはお月さんを眺めながら、家族で分け合って美味しくいただきましょう!
お供えを食べると神様との結びつきが強くなるとの言い伝えもありますよ。
まとめ

- 十五夜お月さんの歌詞の意味は、一家離散でひとりぼっちになった子どもの悲しい気持ちである
- 十五夜お月さんの歌詞は、不景気だった日本と作者の境遇から影響を受けた可能性がある
- 十五夜とは旧暦の8月15日。現代で用いられる新暦だと毎年変わる
- 十五夜とはお月さんにお供えをして収穫の感謝と祈りをささげるものである
父と母、そして妹とはなればなれになった小さい子どもの気持ちは、想像するだけで悲しいですね。
十五夜お月さんの哀愁のある曲調とともにつづられる歌詞。
その意味を知ると家族がそろうことのありがたさを感じられるかもしれません。
私も今年の十五夜は、子どもに十五夜お月さんの歌詞の意味を話してあげたいと思います。
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