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差別用語は床屋と八百屋以外にも!放送禁止の理由と言い換えを解説!

私たちが普段から使っている「床屋」や「八百屋」などの呼び方は、なぜ現在では差別用語とされ、放送禁止になったのでしょうか?

もちろん時代的な背景もありますが、マスコミの自主規制による報道の影響が大きいでしょう。

「床屋」や「八百屋」に使われる「屋」は、それ以外の仕事をしている人から下に見られるような、ネガティブなイメージがあります。

そのため、現在では差別用語とされているのです。

ですが「床屋」や「八百屋」に使われる「屋」という言葉は、ネガティブな意味ばかりではありません。

時には親しみを込めた意味合いとしても使われてきました。

時代とともに変化してきた、「床屋」「八百屋」などの商店だけではない、差別用語と言われる別の職業の言い換えも例にあげて紹介します。

差別用語の床屋や八百屋の由来や使ってはいけない理由

床屋の由来

江戸時代には「髪結い」とされていた現代の理髪店。時代劇などでお侍さんやお姫様が、きれいに髪を結っている姿はおなじみですね。

江戸時代の移動式屋台は車輪のない、折りたたみ式の仮設店でした。板や竹を組んで床を張っただけの店だったため、床店と呼ばれていたそうです。

床店にはさまざまな業種があったのですが、髪結いが多かったため「髪結い床」となり、のちに「床屋」となりました。諸説あるそうですけどね。

現在は床屋と言わず、理髪店・理容店・理容師という言い方をします。シニア世代におなじみのパーマ屋は美容室・美容師ですね。

八百屋の由来

「八百」は「たくさん」の意味もあり、季節の野菜果物を取り扱っていたので「八百物屋(やおものや)」や「八百屋店(やおやみせ)」などと呼ばれていました。

のちのち八百屋と呼ばれるようになったということです。

もう1つの説として、江戸時代に「青屋(あおや)」と言っていたが言葉がなまり、「やおや」になったのだそうですよ。

現在は八百屋とは言わず、青果店と言い換えるようになりました。

「〇〇屋」のイメージ

差別用語とは、国籍・人種・性別・地位・境遇・地域・心身の状態・身体的な特徴などについて否定的な言葉のことを指します。

「床屋」や「八百屋」がなぜ差別用語だとされるようになったのか。それは「屋」の持つイメージにあります。

  • 現金収入や日銭稼ぎのイメージ

家族経営や自営業に対する軽べつの意味が含まれます。

江戸時代当時、年払いや年末払いだったほかの職業と違い「現金収入」という点がそう思われているようですね。

  • 「〇〇屋」は召し使い的職業、人に使われる職業のイメージ

下に見ているというか、小馬鹿にしているような感じがありますね。差別用語と言われる原因の1つです。

上記のような理由から、メディアが自主規制するようになりました。

  • 「〇〇屋」は物を売る商店のイメージ

専門店のイメージですね。そのお店に行けば、それが買えるという安心感がありますよね。

子供の頃、近所に小さな文房具店があり、学校で使うものはいつもそこで買っていた思い出があります。

学校で使う細々としたものは必ず置いてくれていたので、とても安心感がありました。

「屋」という言葉は、使い方や解釈によってネガティブになったり、ポジティブになったりします。

使い方によって、差別用語になるときと、そうでないときがあるということですね。

そのほかにもあります、〇〇屋

そのほかの〇〇屋と、現在の言い換えを見てみましょう。

  • 肉屋→精肉店
  • 魚屋→鮮魚店
  • 花屋→生花店
  • 酒屋→酒店
  • 米屋→米穀店
  • 和菓子屋→和菓子店
  • クリーニング屋→クリーニング店
  • パン屋→ベーカリー
  • 文房具屋→文房具店
  • ペンキ屋→塗装業

とまぁ、ズラッとあげてみましたが、今までの言い方が全てダメということではなく、「さん」づけすれば差別用語ではなくなります。

肉屋さん、魚屋さん、お花屋さん、パン屋さん…。確かに「さん」をつけるだけで、軽べつどころか尊敬の念さえ感じさせます。

そして、本人が「うちは〇〇屋」と言う分には何の問題もないのですよ。

屋号に「八百屋」とか「和菓子屋」とか入っているのを見たことありますよね?皆さん、自身の商売に誇りを持っているのだと思います。素敵ですね!

また、ごみ収集業者を「ごみ屋」と言う人がいますが、これは大きな間違いです。これこそ、明らかな差別用語ですよ!

「屋」が持つ言葉の陰影

先ほども述べたように「屋」は使い方や解釈によって、ネガティブにもポジティブにもなる言葉です。それを象徴するような言葉とも言えますね。

お店だけでなく、人に使うこともありますよね。

  • 気分屋
  • 恥ずかしがり屋
  • 寂しがり屋
  • 頑張り屋、など

誰もがよく使う表現ですよね。人の性格や特徴を表す言葉です。

また「八百屋」という言葉は、「深くはないが、何でも知っている人」という意味で、趣味・専門知識の広い人を指す言葉でもありますよ。

差別用語や放送禁止用語になる職業とその言い換え方

一般的にはまだ使われていることもある言葉ですが、メディアでは差別用語に当たるために使わない放送禁止用語があります。

主に女性差別用語になるとして名称変更された職業です。

  • スチュワーデス

現在は「客室乗務員」「キャビンアテンダント」「CA」と呼ばれています。

  • 看護婦

現在は女性だけでなく男性も活躍するようになり「看護師」に、そのリーダーは「看護師長」になりましたね。

  • 保母

こちらも男性の活躍が目立つようになってきた職場です。男女ともに「保育士」と呼ばれるようになりましたね。

いずれも元からの職業名は差別用語・放送禁止用語となり、テレビや公共の場では使われなくなりました。

また、放送禁止用語というわけではありませんが、現在はジェンダーに配慮する動きも見られます。

東京ディズニーランド・東京ディズニーシーにおいても表現の変更をしていますよ。

Ladies and gentlemen, boys and girls!

(直訳:淑女並びに紳士、男の子に女の子!)

以前は、このように呼びかけていました。

Hello, everyone!

(みなさん、こんにちは!)

現在はこのように変更されています。また、航空会社でも同じように呼びかけるようになりました。

多様化する人々の意識と共に変化する、優しい社会であり続けたいですね。

差別用語だと言葉狩りされる理由はマスコミにあり

言葉狩りとは

「言葉狩り」という言葉を耳にしたことのある人は多いかもしれません。

言葉をきちんと理解する意味もあり、辞書で調べてみました。

今までは普通に使用されていた言葉などが、一部の人々により不適切だと見なされてタブーとなること。

引用:実用日本語表現辞典

一部の人が騒ぎ出し、マスコミが自主規制するような状況ですね。

「言葉狩り」は「揚げ足取り」とも言われたりしますが、ニュアンスが少し違いますよね。

単に言葉尻をとらえて批判されているのではないか、またあまりにも過剰な反応なのではないかと疑問を呈するような、タブー化の流れに反対する際に使用される言葉である。

引用:実用日本語表現辞典

つまり、「言葉狩り」には、過剰な「揚げ足取り」に反論する意味合いがあるのです。

政治家の失言をマスコミに取り上げられると、政治家側が「言葉狩りだ!」と反論したりすることもありますよね。

ですが、多くの場合、女性べっ視の発言であったり女性への差別用語であったり、相手を小馬鹿にするような発言などが問題になっています。

これらは明らかな失言です。それを取り上げるのは、言葉狩りとは違いますよね。むしろ、揚げ足を取られているのでしょう。

また、あれもこれも「差別用語だ!」と言葉狩りされてしまっては、私たちの使う言語がどんどん減ってしまいます。

テレビは編集の力を使い、そこだけを切り取って問題発言にしてしまうこともあるのです。

前後の文脈を聞いたら、大した問題でないようなことも…。マスコミの影響力は計り知れません。

そんな情報に踊らされたくないと、私は何年か前からほぼテレビを見なくなりました。

また、マスコミと同様に大きな影響力を持つのがSNSです。

発信する言葉が差別用語や言葉狩りの対象など、人を傷つける道具にならないように、十分に気をつける必要がありますね。

私も記事を執筆し発信する一人として、常にそのことを念頭に置いています。

まとめ

  • 床屋、八百屋の言葉の由来は江戸時代に遡る
  • 床屋、八百屋が差別用語と言われるのは、家族経営で現金収入、人に使われる召使いのイメージがあるから
  • 床屋、八百屋のほかにもたくさんある〇〇屋も、「さん」づけすれば差別用語ではない
  • スチュワーデス、看護婦、保母は、女性差別の観点から放送禁止用語になった
  • 差別用語とされる言葉も、見方や解釈の仕方でネガティブにもポジティブにもなることがある
  • マスコミによって発言を切り取られ、言葉狩りの対象になってしまうことがある

言葉は、時代の変化と共に変わる生き物です。その時代の背景によって言葉も意味も変わっていきます。

差別用語とされる「床屋」「八百屋」は歴史ある言葉。否定するばかりでなく、「さん」づけして後世まで残していきたいですね。

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いちご大福

ペットのデグー達に日々癒される50代のシングルマザー。高校生の娘と埼玉に在住。縫い物とパン作りが好きで、洋服のお直し歴は12年、地元で有名なパン屋さんでの勤務経験あり。自分で焼いたパンを「美味しい!」と喜んでもらえるのが嬉しく、パン研究に余念がない職人気質。