コロナによる外出の機会が減ったことをきっかけに、ペット可賃貸物件の人気が始まり、今もなお続いています。
ペットを飼う人にとっては、ペット可・ペット相談可の物件を選ぶことはマストですが、ペットを飼っていない人にとっても、意外と魅力的なのがペット可賃貸。
ペット可の物件を選ぶことのメリットを知らない方も多いのではないでしょうか？
本記事では、ペット可賃貸を選択する際のポイントと、ペットを飼わずしてペット可賃貸に住んだことがある経験を交えてご紹介します。
ペット可賃貸はやめた方がいい？メリットとデメリット
ペット可・ペット相談可文言のある物件は、意外と多くあります。
ペットを飼っている人にとっては、ペット可物件は選択しなければならない条件の一つですが、ペットを飼っていない人にとっての魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
はじめに、ペット可賃貸のメリットとデメリットを3つずつお伝えします。
メリット1：多少の生活音は気にしなくて済む
まず、最も魅力的なのが「生活音を気にしなくて済む」ということです。
もちろん限度はありますが、ペットを飼っている人が多いペット可賃貸では、多少の音がでていても気にならない（お互い様）と考えている人は少なくありません。
例えば、夜勤でどうしても夜中や早朝に生活音を出してしまう方、子どもが生まれたばかりで泣き声が周りの住人に聞こえているか気になってしまう方にはメリットを感じやすいです。
生活音を出してしまうことが気になる方にとって、ペット可賃貸は魅力的な選択肢の一つになります。
実際、私自身も、夜中に子どもが泣いてしまうことが続き、迷惑をかけてしまっているかもと不安を感じていたました。
しかし、お隣さんに「全然大丈夫ですよ。逆に、こっちの犬の鳴き声で起こしてしまっていませんか？」と心配の声を頂いたことがあるくらいです。
メリット2：ペットを中心に、知り合いを作りやすい
次に、魅力を感じやすいのが「ペットを中心に、知り合いを作りやすい」ということです。
引越しをするということは、同じマンション内の移動でない限り、見知らぬ土地や友人・知人が少ない場所に行くことになると思います。
そのような場合でも、引越しの挨拶のタイミングやペットの散歩をしている隣人とすれ違うときなど、ペットという共通の話題が、知り合いをつくるきっかけにつながります。
とくに、お散歩が必要な犬を飼っている方は、朝の散歩や夕方の散歩などのルーティーンを持っていることが多く、仲良くなるタイミングを作りやすいです。
メリット3：長く住んでいる人の割合が多いため安心
ペットを飼っている方は、同じ場所に長く住む傾向があります。
長く住むということは、そこに長く"住める"ということでもあるため、しっかりした方が多かったり、エリアの情報に詳しかったりと、生活する上での安心感につながります。
また、そのエリアの違いに気がつきやすかったり、犬の散歩などで近隣を回遊していたりすることで、見る目があるということから防犯上の安心感にもつながりますね。
デメリット1：ペットの鳴き声や臭いが気になる
メリットの裏返しでもありますが、ペットの鳴き声や臭いが逆に気になる場合はあります。
犬や猫など1,2匹程度の鳴き声なら可愛いのですが、鳴き声が大きくなったり、ペット同士の鳴き声が連鎖して連続した長い時間鳴いていたりすることもあります。
また、共用部分のエレベーターなどの狭い空間などでは、動物の臭いを感じることも。
動物が苦手な方はそもそもペット可の物件は選ばないと思いますが、「動物は大丈夫」という方でも、どれくらいなら我慢できるか確認しておくことが重要です。
デメリット2：アレルギーが出る恐れがある
「犬は大丈夫だけど、猫アレルギーが出る」など、アレルギー症状がでてしまう恐れもあります。
また、自分自身だけならいいのですが、友人やパートナー、また、これから生まれてくる子どもなど、アレルギーを持っているかわからない方を招待する場合はとくに注意が必要です。
招待した方の皮膚が赤くなる、目が充血しているなど、アレルギーだと思われる症状が出た場合は、すぐに病院などを受診するようにしましょう。
招待する前に、そもそも動物は大丈夫かどうか事前に確認しておくことも大切です。
デメリット3：ペット不可と比較して割高物件の可能性がある
意外と知られていないのが「ペット可の賃貸物件は、割高物件の可能性がある」ということです。
飼っているペットが床を汚したり、壁紙を剥いでしまったりなど、退去時の現状回復にペット無しの方と比較するとお金が余計にかかることがあるため、敷金など高めに設定されていることがあります。
また、ペット可の賃貸物件は増えてきたとはいえ、まだまだ少ないのが現状です。
その希少価値の高さからそもそも家賃が高く設定されている、ということもあります。
ペット可賃貸はやめた方がいい？実際のトラブル例
ペット可賃貸で実際にあったトラブルをここで抑えて起きましょう。
事前に把握しておくことで、後で困らないようになります。
トラブル例1：鳴き声や足音などの騒音トラブルにつながる
最も多いトラブルが、ペットによる鳴き声や足音などの騒音トラブルです。
犬や猫の鳴き声がうるさくて寝られないというクレームや、動物たちの足音が気になって仕事や勉強に集中できないといった苦情が寄せられることがあります。
ペットを飼っていない人との間でトラブルが起きやすいイメージですが、ペットを飼っている同士でもトラブルに発展することがあります。
例えば、自分の飼っているペットはよく鳴くが、隣人の飼っているペットは全然鳴かないといった場合です。
ペットの行動はコントロールすることが難しいため、騒音トラブルにならないように注意をしましょう。
トラブル例2：共用部分の使い方でもめる
次に多いのが、廊下やエレベーターなどの共用部分の使い方でもめるということ。
廊下を歩いたり、エレベーターに乗ったりするときは、ペットを歩かせるのか抱っこをするのか、玄関先などでペットを飼ってもいいのかなど、ルールは事前に確認しておきましょう。
ルールを確認しないと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
トラブル例3：ペットが飛びかかるなどの事故や怪我につながる
最後に注意しておきたいのが、ペットが飛びかかり怪我をさせて（して）しまう可能性があるということです。
普段おとなしいペットでも、なにかの拍子に飛びかかり、怪我を負わせてしまったり、逆に怪我をさせられたりすることもあるため注意が必要です。
ペット可賃貸に住む場合に事前に押さえるべきポイント
デメリットやトラブルが気になるペット可賃貸の物件ですが、事前に3つのポイントを押さえておくことで快適に過ごすことが可能です。
ポイント1：数年先の生活を考えておく
その物件での生活を数年先までイメージしておきましょう。
今後ペットを飼う予定はあるのか、一人暮らしなのか同棲なのか、子どもはいるのか生まれてくる予定はあるのかなど、数年先までイメージしておくことが重要です。
ペットを飼いたくなった時にいつでも飼えるようにしておいたり、パートナーがペットを連れて同棲をすることになったり、子どもが生まれてくるため夜泣きが気になったり…。
先を見越しておくことで、あの時ペット可賃貸を選んでおいて良かったと思えるようになります。
逆に、ペットを飼っていないにも関わらず、ペット可賃貸物件を後先考えず選んでしまうと、デメリットを感じてしまい落ち着いて暮らせない、ということになりかねません。
必ず数年先の生活をイメージしておきましょう。
ポイント2：そもそも動物への耐性があるか考える
動物への耐性があるのか今一度確認しておきましょう。
動物アレルギーは持っていないか、動物の臭い・鳴き声などは許容できるのかなど事前に確認しておくことで、快適な生活を送ることにつながります。
臭いや鳴き声などペットショップに足を運ぶことで自分がどこまでなら許容できるのか確認することができます。
ただ、ペット可の物件であっても、ペットショップほどの臭いを感じることはほとんどありません。
ポイント3：近隣エリアの家賃相場を調べておく
近隣エリアの家賃相場を調べておくことも大切です。
ペット可賃貸はその希少性と現状回復の難しさから、家賃はもちろん敷金などが高く設定されている場合があります。
希望条件の物件をいくつか並べてその相場を確認しておきましょう。
相場に対して安いのか・高いのか、高いのであればその差額は許容範囲内なのか、しっかり確認しておくことで、後悔しない物件選びにつなげることが可能です。
まとめ
- ペット可賃貸のデメリットは、ペットの鳴き声や臭いが気になることや、エレベーターなど共用部分のルールを把握しておかないとトラブルにつながること
- ペット可賃貸のメリットは、自分が出す騒音にも寛容である方が多く、防犯面など安心して生活することができること
- ペット可賃貸を検討するポイントは、数年先の生活を考えること、動物への耐性があるかを考えること、家賃相場を調べておくことの3つ
ペット可賃貸はデメリットやトラブルを想像しやすいですが、魅力がたくさんあるのも事実です。
私もペット可賃貸に住んでいましたが、実際ペットを飼っている方は全体の10%程度で、騒音や臭いなどを気にしたことはありませんでした。
それよりも、子どもの泣き声で近隣に迷惑をかけるのではないかという心配や、ペットを飼いたくなったら引越さなくてはいけないという悩みから解放されて、快適な生活を送ることができたことを覚えています。
今はペットを飼っていない方も、ペット可物件を一つの選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
